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脳神経外科

外来診療担当

午前
午後
高原 健人
輪番制(受付10:30まで)
柴尾 俊輔(完全予約制)
手術
荻野 雅宏
検査
西本 真章

吉田 啓佑(第1・3・4・5週)                赤路 和則(第2週)
手術・検査

輪番制
休診

医師紹介

常勤

第一脳神経外科部長
おぎの まさひろ
荻野 雅宏
日本脳神経外科学会認定専門医
日本脳卒中学会専門医
日本体育協会認定スポーツドクター
障害者スポーツ医
医師
にしもと まさあき
西本 真章
日本脳神経外科学会認定専門医
日本脳神経血管内治療学会認定専門医
日本小児神経外科学会認定医
医師
たかはら けんと
高原 健人
日本脳神経外科学会認定専門医
日本脳神経血管内治療学会認定専門医
医師
やまだ のぶひろ
山田 延弘

非常勤

医師
あかじ かずのり
赤路 和則
医師
かたやま まさてる
片山 正輝
日本脳神経外科学会専門医
日本脳神経血管内治療学会専門医
医師
しばお しゅんすけ
柴尾 俊輔
日本脳神経外科学会脳神経外科専門医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
日本脳卒中外科学会技術認定医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本脳神経血管内治療学会脳血栓回収療法実施医
慶應義塾大学病院臨床研修指導医養成講習会修了
医師
よしだ けいすけ
吉田 啓佑

診療科の案内

特色

足利赤十字病院は救命救急センターを有し365日間、24時間体制で脳神経外科医が常に待機し、救急患者さんを受け入れております。脳神経外科は頭蓋内の病変を手術で治療します。そのため幅広い疾患を対象としていることが特徴です。足利赤十字病院脳神経外科では脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷を中心に幅広く脳手術を行っています。大きな特色としては、本来は大学病院などの専門施設で行われる頭蓋底手術を積極的に行っているところです。さらに新しい治療分野として、機能外科、小児脳神経外科の治療も徐々に増やしています。また当院は日本脳神経学会専門医訓練施設(A-106)、日本脳卒中学会認定研修教育施設、栃木県脳卒中専門医療機関として脳神経外科医、研修医の教育にも力をいれております

脳腫瘍に対する専門性の高い手術

脳腫瘍は脳内にできる腫瘍と脳外にできる腫瘍に分けられます。脳内にできる腫瘍は正常脳を守りながら病変のみを摘出する技術が要求されます。また、脳外にできる腫瘍は外から脳や脳神経を圧迫していたり、重要な脳血管を巻き込んでいるため、それらの構造物を温存しながら摘出する技術が要求されます。
当院では、術中ナビゲーション、術中神経モニター、術中蛍光検査、内視鏡、拡張現実技術(AR技術)など最先端の手術支援技術を積極的に導入し、大学病院にも劣らない質の高い手術を行っています。
1. 頭蓋底手術
  • 頭蓋底とは 
「頭蓋底」は書いた字のごとく、「頭蓋の底」の領域です。この領域にできる腫瘍は深い場所に位置しており、手術で到達するのがとても難しいです。さらに、神経、血管など大事な構造物が密集していることも、手術を難しくしています。 
 
  • 頭蓋底にできる腫瘍 
頭蓋底にできる腫瘍としては、多いものから髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫(聴神経腫瘍を含みます)、頭蓋咽頭腫、類皮腫、類上皮腫、脊索腫などの良性腫瘍が含まれます。 
 
  • 頭蓋底手術とは 
頭蓋底手術は、上記のように深い場所にできた頭蓋底腫瘍を脳に負担をかけないように摘出する手術といえ、高度な知識と技術を要します。具体的には、頭蓋底の骨を削って経路を作ることで脳を引かずに病変にアプローチします。頭蓋底の骨には重要な神経、血管、器官が入っており、その解剖を熟知して削る必要がありますが、その解剖の理解にはトレーニングが必要です。当科の柴尾医師は頭蓋底手術の伝統がある慶應義塾大学での頭蓋底トレーニングを経ており、頭蓋底に関する学会発表、論文も多数あります。  
 
  • 頭蓋底手術における手術支援 
安全な頭蓋底手術を行うために欠かせないのが手術支援機器です。当院では手術支援機器として、術前画像を3D再構成して行う3Dシミュレーション、術中にリアルタイムに病変の場所を把握するナビゲーションシステム、術中に脳神経機能をモニターする神経モニタリングなど、最新設備を整えて頭蓋底手術を行っています。また、内視鏡の導入も行い、術中死角となる場所を観察する補助的内視鏡や、下垂体腺腫を始めとする傍鞍部頭蓋底腫瘍に対する経鼻内視鏡も積極的に行っています。  
 
  • 内視鏡下手術 
開頭手術に内視鏡を併用する手術を積極的に行っています。通常死角となる部分を内視鏡で観察したり、内視鏡下で操作することによって、より安全で確実性の高い治療が可能となります。脳室内腫瘍や一部の水頭症にも脳内視鏡手術を行っております。 
2. その他脳腫瘍
神経膠腫、転移性脳腫瘍、中枢神経系原発悪性リンパ腫などの悪性脳腫瘍に対しては外科治療のみならず化学療法や放射線による治療も含めた適切な総合的治療が必要です。足利赤十字病院では豊富な経験と手術技術を持つスタッフが責任をもって治療にあたります。悪性脳腫瘍の化学療法は慶應義塾大学病院、東京歯科大学市川総合病院と密に連携して行っております。また2023年(令和5年)4月からサイバーナイフ治療が開始予定となっており、脳腫瘍に対する集学的治療も当院だけで完結できるようになります。  

24時間365日、脳卒中・頭部外傷の急患対応

当院は一次脳卒中センター(primary stroke center: PSC)コア施設に認定されており、24時間365日、急性の脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)を受け入れています。脳神経内科(「脳」にも内科・外科があります)の先生と協力しながら、主に手術症例を当科で治療します。
1.脳動脈瘤
脳動脈瘤には未破裂動脈瘤と破裂動脈瘤があります。未破裂動脈瘤は放置すると破裂してくも膜下出血(破裂動脈瘤)をきたす危険があり、破裂リスクの高い動脈瘤は治療対象となります。破裂動脈瘤はいわゆるくも膜下出血を発症し、命の危険性が高いため、救命目的での緊急手術が必要となります。動脈瘤の治療は年齢や瘤の大きさ、型、位置などを検討し治療法を決定する必要があります。当院では治療前にシミュレーションを行い症例ごとにカテーテル治療と顕微鏡下開頭手術をうまく使い分け、最適な治療を提供できるよう努めています。
2. 脳梗塞超急性期治療
脳の太い動脈に血栓が詰まると時間とともに広範囲の脳梗塞が生じます。その際に早いタイミングで血管に詰まった血栓を溶解または除去することで脳血流が再開し、脳梗塞の拡大を防ぐことができます。脳梗塞に対する超急性期治療として血栓溶解療法(組織プラスミノーゲンアクチベーター:tPA)、カテーテル血栓回収療法を行っています。  
3. 頭部外傷

多発外傷では複数科が協力して診療にあたれるところが総合病院である当院の強みです。頭蓋内出血を伴う頭部外傷では当科で手術を含めた治療を行っています。 

新しい治療分野の導入

これまで当院であまり行っていなかった治療も積極的に導入し、対象とする患者様の幅をより広げられる体制を整えています。主な対象は機能外科と小児脳神経外科です。
1. 機能外科
機能外科としては、神経血管圧迫症候群の手術に力を入れてまいります。神経血管圧迫症候群として有名なものとして、三叉神経痛(顔の痛み)、顔面けいれん(片側の顔の引き攣れ)、舌咽神経痛(喉の魚骨の残存感)があります。これらの疾患を薬物治療から手術治療までトータルケアできる体制を整えています。顔面けいれんに対するボトックス治療を2022年(令和4年4月)から開始しております。また、サイバーナイフ治療も令和5年4月から稼働予定であり、様々な治療方法を組み合わせて最善の治療を行なっております。
2. 小児脳神経外科
小児脳神経外科については、2022年(令和4年)4月から新たにに小児脳神経外科専門外来を開設いたしました。西本真章医師が、成育医療センターで小児脳神経外科の研修を行っており、小児の脳手術を行う体制を整えています。水頭
症、二分脊椎(脊髄脂肪種、脊髄髄膜瘤など)、二分頭蓋、頭蓋骨縫合早期癒合症、脳腫瘍、血管障害(もやもや病、脳動静脈奇形など)等、幅広く診断、治療を行います。治療は御本人また御家族の方が納得いただけるまで何回でも御相談させていただきます。また神経内視鏡使用など常に低侵襲な治療をこころがけています。まずは御相談ください。

学術活動への参加、若手医師の教育

日々の診療に加え、学会発表や論文発表などの学術活動を積極的に行うことで、自分たちの知識や技術のアップデートを行っています。そうすることで、日々の診療にもフィードバックされより質の高い医療が実現できます。 
また、若手医師への教育にも力を入れています。初期研修医、後期研修医とともに患者様の診療や学術活動を行うことで、彼らが将来日本の医療、脳神経外科を支える人材に育っていきます。

特殊外来

頭蓋底腫瘍外来(毎週水曜 午前・午後) 
小児脳神経外科外来、血管内治療外来(毎週木曜 午前) 
※上記疾患はその他の曜日でも受診可能です。

診療実績

脳神経外科的手術症例数(1~12月)2020年2021年2022年
脳神経外科的手術の総数247254282
脳腫瘍:(1)摘出術172126
脳腫瘍:(2)生検術 (開頭術)000
脳腫瘍:(2)生検術 (定位手術)000
脳腫瘍:(3)経蝶形骨洞手術275
脳腫瘍:(4)広範囲頭蓋底腫瘍切除・再建術137
脳腫瘍:その他000
脳血管障害:(1)破裂動脈瘤161218
脳血管障害:(2)未破裂動脈瘤237
脳血管障害:(3)脳動静脈奇形121
脳血管障害:(4)頸動脈内膜剥離術374
脳血管障害:(5)バイパス手術254
脳血管障害:(6)高血圧性脳内出血 (開頭血腫除去術)6912
脳血管障害:(6)高血圧性脳内出血 (定位手術)000
脳血管障害:その他095
外傷:(1)急性硬膜外血腫015
外傷:(2)急性硬膜下血腫442
外傷:(3)減圧開頭術014
外傷:(4)慢性硬膜下血腫717689
外傷:その他167
奇形:(1)頭蓋・脳000
奇形:(2)脊髄・脊椎000
奇形:その他000
水頭症:(1)脳室シャント術8107
水頭症:(2)内視鏡手術002
水頭症:その他300
脊椎・脊髄:(1)腫瘍000
脊椎・脊髄:(2)動静脈奇形000
脊椎・脊髄:(3)変性疾患 (変形性脊椎症)000
脊椎・脊髄:(3)変性疾患 (椎間板ヘルニア)000
脊椎・脊髄:(3)変性疾患 (後縦靭帯骨化症)000
脊椎・脊髄:(4)脊髄空洞症000
脊椎・脊髄:その他000
機能的手術:(1)てんかん000
機能的手術:(2)不随意運動・頑痛症 (刺激術)000
機能的手術:(2)不随意運動・頑痛症 (破壊術)000
機能的手術:(3)脳神経減圧術023
機能的手術:その他000
脳神経外科的手術症例数(1~12月)2020年2021年2022年
血管内手術:(1)動脈瘤塞栓術 (破裂動脈瘤)161013
血管内手術:(1)動脈瘤塞栓術 (未破裂動脈瘤)    
1577
血管内手術:(2)動静脈奇形 (脳)241
血管内手術:(2)動静脈奇形 (脊髄)110
血管内手術:(3)閉塞性脳血管障害の総数373132
血管内手術:(3) (上記のうちステント使用例)1182
血管内手術:その他197
脳定位的放射線治療:総数 ※100
脳定位的放射線治療:(1)腫瘍100
脳定位的放射線治療:(2)脳動静脈奇形000
脳定位的放射線治療:(3)機能的疾患000
脳定位的放射線治療:その他000
その他:上記の分類すべてに当てはまらない症例381414
※脳神経外科的手術の総数には含めない

最近の脳神経外科における全手術件数の推移

最近の脳神経外科における頭蓋底手術件数の推移

当院は他科との関連を密接にすることが可能(各科の医師間で意思の疎通がしやすい環境にある)な点が特徴であり合併症をお持ちの患者さんも安心して治療をうけることができます。
患者さんや家族の方々に納得していただける説明と治療を行うことをモットーにし、難易度の高い疾患の治療も行っています。
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