薬剤部
理念
足利赤十字病院の理念に基づき患者さんが、
安心して治療を受けられるよう
医薬品の安全確保と適正使用に努めます。
安心して治療を受けられるよう
医薬品の安全確保と適正使用に努めます。
薬剤部の概要
薬剤部は、薬剤部長以下薬剤師30名、薬剤助手1名、薬剤SPD8名で構成されています。外来調剤は院外(院外処方箋発行率90%)へシフトし、薬剤SPD(在庫管理・薬剤搬送業務)を導入したことで業務効率が向上しています。そのため、入院患者さんへの服薬指導(薬剤管理指導)や医師への処方提案、抗がん剤調製・レジメン管理、チーム医療、TDM実施など入院患者さん中心の業務を実施しています。また各病棟に薬剤師が常駐するサテライトファーマシーを設け、17名の薬剤師が病棟専属で活動しています。いつでも薬剤や患者さん情報を病棟スタッフと共有し、入院から退院まで患者さんへ服薬指導を行っています。外来では、抗がん剤治療の患者さんを中心に副作用マネジメントなどを行っています。この様に病院や薬剤部の理念に基づき、患者さんが当院で安心して薬による治療が受けられるよう日々の業務に励んでいます。

薬剤師の人員配置(男性11名・女性19名)
・病棟専任 17名
・調剤室 4名
・病棟フォロー 3名
・外来化学療法室 3名
・DI 1名
・手術室 1名
※令和5年3月時点

主な業務内容
調剤課
処方オーダーリングシステムにより医師が発行した処方箋に基づき、内用薬・外用薬・注射薬の調剤を行っています。処方内容に疑問があれば医師へ「疑義照会」を行い、より適切な薬物治療が行えるよう努めています。電子カルテ・バーコード等のデジタル情報、ITを活用した業務の効率化と正確性の向上を図ることで(錠剤PTPシート全自動払出し装置、錠剤一包化、錠剤補充時のバーコードチェック、散薬監査システム、オートアンプルディスペンサーによる患者個人別セット払出など)、安全性の向上・適切な人員配置を行っています。そして、病棟担当薬剤師と連携することで、患者さんに安心して薬剤を服用していただけるよう努めています。




製剤課
製剤課は、院内特殊製剤の調製と無菌混注業務を行っています。 院内特殊製剤は、市販されていない治療上必要な軟膏、坐薬、点眼液等で、依頼書に基づき調製しています。その他、決められた手順で調製する医薬品の取扱いなどを行っています。
高カロリー輸液の調製は、無菌製剤室内にあるクリーンベンチ内で薬剤師が行っています。調製するときは薬剤師がガウン・マスク・手袋・キャップを着用し、クリーンベンチ内に入れる医薬品は全て消毒して無菌状態にして調製しています。
高カロリー輸液の調製は、無菌製剤室内にあるクリーンベンチ内で薬剤師が行っています。調製するときは薬剤師がガウン・マスク・手袋・キャップを着用し、クリーンベンチ内に入れる医薬品は全て消毒して無菌状態にして調製しています。


外来化学療法室
外来化学療法室では併設されたミキシングルームにて薬剤師が抗がん剤を含め患者さんに投与されるすべての注射薬の調製を行っています。また、入院で抗がん剤治療を行う患者さんの抗がん剤の調製もこちらで行っています。医師による診察に加え、薬剤師の視点でも投与量や投与間隔、当日の臨床検査値の確認を行い、治療が安全に行えるかの確認をしています。治療室では、認定薬剤師が患者さんへ薬剤の説明を行うほか、副作用の確認を行い、必要に応じて医師に相談し副作用対策の薬剤を提案することもあります。
近年は、医師の診察前に薬剤師が面談を行う『薬剤師外来』を開始し、患者さんの副作用マネジメントに積極的に関わっています。

DI(医薬品情報)室
DI室では、医薬品に関する情報を収集・整理・管理し、定期的に医師や看護師などの医療スタッフに情報を提供する仕事をしています。また、病院内で起きた医薬品による副作用報告などをまとめています。厚生労働省や医薬品医療機器総合機構により提供される「緊急安全性情報」、「医薬品医療機器等安全性情報」などの副作用情報、または製薬企業などから伝達される薬に関する様々な情報を迅速に収集し、保管・整理しています。その他にも医薬品データベース、インターネットなどの様々な情報源を用いて情報を収集・管理しています。

治験管理室
当院では、より良い医薬品開発のために治験を実施しています。また、市販後の医薬品に対して有効性、安全性を確認するために製造販売後調査も行っています。院内には、これらを審査、承認するための治験審査委員会があります。その事務局と治験薬の管理を薬剤部が担当しています。
病棟業務課
病棟業務は病院薬剤師における重要な仕事の一つです。
薬剤師による病棟業務の目的は下記の4つです。
薬剤師による病棟業務の目的は下記の4つです。
- 薬剤の適正使用と副作用の防止
- 患者さんのQOLの向上
- 病棟での薬剤に関連するインシデント、アクシデントの防止
- チーム連携による最適な医療の提供
上記の目的を達成するために当院では各病棟にそれぞれ担当の薬剤師を配置し、日々の業務を行っています。病棟薬剤師の業務には以下のようなものが挙げられます。
薬剤管理指導(服薬指導)
入院患者さんのもとへ訪れ、薬の効能・効果、副作用や飲み方の注意点などの説明を行います。指導の準備段階としてカルテなどから患者さんの背景を調べ、用法・用量が適切であるかの確認も行っています。また、医師に処方提案し、最適な治療が行われるよう活動しています。服薬指導時は薬の説明をするだけでなく患者さんの体調を観察し、副作用が出ていないかの確認なども行っています。患者さんからの薬についての質問や疑問にも応対しています。患者さんが入院・退院する際、ほぼ全患者さんに対して薬剤師による服薬指導が行われます。

持参薬の確認
患者さんが他の医療機関から処方された薬の内容を病棟薬剤師が確認し、医師に報告しています。これは、患者さんがどのような疾患で治療を受けてきたのかを知る手がかりになります。自宅できちんと薬を服用できていたかアドヒアランスの確認を行います。入院中も持参薬の内服を続ける場合は、当院で処方された薬と持参薬の重複や相互作用がないか、現在服用を中止している薬はないか等のチェックも行います。
病棟ストック薬の管理
病棟にストックしてある薬品の管理は看護師だけでなく、薬剤師も行っています。定期的に数量、ロット番号、使用期限を確認し薬品の品質管理を行っています。また、リスクが高い医薬品、名称や外観が類似している薬品に対しては注意喚起を行い、取り間違いなどの医療過誤防止に努めています。
医師、看護師への情報提供
錠剤を飲めない患者さんのために粉砕して投与しても問題ないか、当院に採用していない薬を服用されている患者さんのために、同種同効薬を確認し、代替薬を提案するなど、医師や看護師のニーズに答えるのも病棟薬剤師の仕事の一つです。製薬企業から重大な副作用のニュースが発信された場合には、その情報を速やかに医師に伝達し、薬剤の使用状況を確認します。使用された時は、副作用発現の情報収集を速やかに行っています。また、多職種で行うカンファレンス等で情報共有を行っています。
チーム医療
チーム医療は、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士などの他の医療スタッフが互いの専門性を尊重し、最大限の能力を引き出しあうことによって最善の治療を行う医療現場の取り組みです。
当院薬剤部でもNST(栄養サポートチーム)、ICT(感染対策チーム)、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)、緩和ケアチーム、褥瘡対策チームに薬剤師が参加をして、専門的知識を発揮し患者さんの適切な医療を支援しています。
当院薬剤部でもNST(栄養サポートチーム)、ICT(感染対策チーム)、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)、緩和ケアチーム、褥瘡対策チームに薬剤師が参加をして、専門的知識を発揮し患者さんの適切な医療を支援しています。
チーム紹介
当院では多くのチーム医療(以下記載)に薬剤師が携わり、職能を発揮しています。
栄養サポートチーム(NST) | 6名 |
緩和ケアチーム(PCT) | 4名 |
感染対策チーム(ICT) | 3名 |
抗菌薬適正使用支援チーム(AST) | 3名 |
褥瘡対策チーム(PUT) | 1名 |
irAE対策チーム | 2名 |
摂食嚥下チーム(SST) | 1名 |
救護班 | 3名 |
災害派遣医療チーム(DMAT) | 2名 |
※令和5年3月現在
新人教育
薬剤部の理念に基づき、院内における薬剤師の役割や医薬品の流れを体系的に学べるよう作成された薬剤部独自の教育プログラムを用いて、新人教育を行っています。年齢の近い先輩が1対1で教育を担当し、日々の業務で分からないことや困ったことなどを質問しやすい環境となっています。その他、学会発表などにも積極的に取り組んでいます。
また、病院や薬剤部のイベントもあり、日々の業務と違った雰囲気で先輩達と話をすることができます。先輩薬剤師の声

入職3年目薬剤師
当薬剤部では、早期より教育プログラムに準じた研修や実践を行っています。充実した教育体制があり、実践を通して先輩方から多くの意見をいただくことができます。結果として、様々な視点から物事を考える力が身につきました。
私は、現在病棟担当薬剤師として従事しており、「挨拶」と「笑顔」を大切にしています。コミュニケーションにおける「挨拶」は、すべての基礎であり信頼関係の構築に大切です。患者さんやスタッフに「挨拶」を行い、会話することで最大限の連携が可能になります。チームでの問題解決・医療の提供を行い、全ての人を「笑顔」にできるような存在になりたいと努力しています。
また、定期的な担当病棟の変更があり、様々な病態や薬物療法等を経験することができます。日々の業務で不明な点や不安なことがあれば、先輩薬剤師や多職種のスタッフに相談できる恵まれた環境にあると感じています。
資格・認定者内容(令和5年3月)
日本病院薬剤師会
●日病薬病院薬学認定薬剤師:5名
●がん薬物療法認定薬剤師:1名
●感染制御認定薬剤師:1名
日本臨床栄養代謝学会
●栄養サポートチーム(NST)専門療法士:3名
日本薬剤師研修センター
●認定薬剤師:5名
●認定実務実習指導薬剤師:4名
日本臨床腫瘍薬学会
●外来がん治療認定薬剤師:2名
日本緩和医療薬学会
●緩和薬物療法認定薬剤師:1名
日本化学療法学会
●抗菌化学療法認定薬剤師:1名
日本アンチ・ドーピング機構(JADA)
●スポーツファーマシスト:2名
厚生労働省
●日本DMAT隊員:2名
その他
薬剤部 見学希望・薬学生の方へ
薬剤部の見学は随時受付をしています。
まずは電話(人事課宛て)にてご連絡いただき、希望日をお伝えください。
なお、都合により対応出来かねる日程もございます。予めご了承ください。
電話 :0284-21-0121(代表)
アクセス:病院ホームページ「交通アクセス」参照
※薬剤部は病院内ローソンの横となります。