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北関東初のロボット支援胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除)の保険適応施設として当院が認定されました
2019-05-01
これまでの当院・呼吸器外科の診療実績が認められ、平成31年4月より呼吸器外科で実施している肺癌に対するロボット支援胸腔鏡下肺葉手術が保険診療として行える旨を、関東信越厚生局から承認を得ることができました。この保険の施設基準を満たしたのは北関東(栃木・群馬・埼玉・茨城)では足利赤十字病院が初めてとなります。全国でも12番目の施設になります。

 肺癌は、がん死亡数の男性1位女性2位を占める、社会的なインパクトの大きい病気です。肺癌による死亡が多いのは、罹患数が増えているのに加え、肺癌が治りにくい病気であるのが原因です。しかし、早期で見つかった場合には手術で根治できることが十分期待できます。このように、手術療法は肺がん治療に於いて非常に重要な役割を担っております。

 また肺癌の手術は、従来の開胸手術と同様の成績を残しつつも、より小さな傷で術後の痛みを減らすことが可能になってきております。この、体へのダメージを少なくする手術を「低侵襲手術」といい、肺癌の手術に於いては胸腔鏡手術(Video Assisted Thoracoscopic Surgery, VATS=バッツ)としてここ20年で広く普及してきました。胸腔鏡手術は、働く世代の社会復帰を後押しし、また体の弱い高齢者への手術そのもののリスクを下げるのに有用であると考えられております。

 ロボット支援胸腔鏡手術とは、外科医が3Dの高精細カメラと自在に動く高性能の手術器機を備えた手術支援ロボットを操作して胸腔鏡手術を行う方法です。これにより、従来の胸腔鏡に比べてより良い視野と操作性が得られ、精緻な動きで手術をすることが可能になります。当院ではダヴィンチXiという最新の最上位のモデルを導入しています。

 足利赤十字病院では、昨年度から橋本呼吸器外科部長がロボット支援胸腔鏡手術のプログラムを開始して、現在まで肺癌・縦隔腫瘍の患者さんを治療してきております。当院では、縦隔腫瘍に対するロボット支援手術も保険適応施設認定を取得しております。今後も患者さんの力になるべく、最新の機器を用いた低侵襲ロボット支援手術を地域の皆さまに提供して参ります。
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