本文へ移動
栃木県・群馬県で初となる低侵襲手術支援ロボットda Vinci(ダヴィンチ)を使用した肺がん手術を実施
2019-12-07
右から 橋本浩平呼吸器外科部長 坂巻寛之呼吸器外科医師
12月3日(月)に、足利赤十字病院呼吸器外科で栃木県と隣接する群馬県含めて初症例となる低侵襲(ていしんしゅう)手術支援ロボットda Vinci(ダヴィンチ)を使用した肺がん手術を実施しました。
 肺癌はがん死亡数が最も多いがん種であり、患者数が多く他のがんに比べて予後が悪く、今後も克服すべき課題が多い疾患です。手術による肺癌の切除が、根治を目指す際の主な治療方法となっておりますが、最近は特に早期の肺癌に対しては胸腔鏡(きょうくうきょう)を用いた低侵襲(体へのダメージが少ない)手術方法が普及してきております。da Vinciは米国で開発された最新の低侵襲手術支援ロボットであり、従来の胸腔鏡手術のメリットをさらに向上するための高精細な3Dカメラと自在に動く多種多様な手術器具などの機能を特長としております。これにより、開胸手術に比べて大幅に切開が小さくなり、術後の痛みが少なく回復が早いことが示されております。当院では、操作性が以前より大幅に向上した最新機種da Vinci Xiが導入されております。
 今回の手術は、早期肺癌と診断された60代の男性に対する肺葉切除であり、呼吸器外科部長 橋本浩平医師(39)が執刀しました。出血はごく少量のみで、術後の回復は順調であり術後4日目に退院されました。
 2018年4月から、低侵襲手術支援ロボットを使用した12術式が新たに保険収載されたことに伴い、da Vinci(ダヴィンチ)を使用した手術は、今後益々浸透していくとものと考えられます。呼吸器領域に於いては、「縦隔(じゅうかく)腫瘍切除」と「肺悪性腫瘍のための肺葉切除」が保険適応となりました。当院では本年10月に、既に栃木県・群馬県で初となるロボット支援胸腔鏡下縦隔腫瘍切除を成功させており、これまで計4例の同手術を施行しております。
 今後大学病院など大規模な病院を中心に、ロボット支援手術を施行する施設は全国的に徐々に増えていくことが予想されます。今後も肺がんを含めた肺の悪性腫瘍や縦隔腫瘍でお困りの患者さんの力になるべく、最新の治療機器を用いたロボット支援低侵襲手術を地域の皆さまに提供して参りたいと考えております。
TOPへ戻る