トップページ > 循環器内科 小平真幸先生の臨床研究論文が英文誌Circulation Journalに掲載されました。

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論題

Effect of Smoking Status on Clinical Outcome and Efficacy of Clopidogrel in Acute Coronary Syndrome.

著者

Kodaira M, Miyata H, Numasawa Y, Ueda I, Maekawa Y, Sueyoshi K, Ishikawa S, Ohki T, Negishi K, Fukuda K, Kohsaka S.

発表

Circ J. 2016 May 27. [Epub ahead of print]


 筆頭著者の小平先生らは慶應関連病院循環器病研究会(KICS)が運営する多施設心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術:PCI)レジストリーのデータを解析し、喫煙がPCI治療に及ぼす影響について調査しました。

 一般的に喫煙の習慣が健康を害することは広く知られていますが、急性心筋梗塞の患者様に治療を行う場合、喫煙者の方が非喫煙者と比較して治療後の予後が良いといういわゆる「Smoker’s Paradox」という現象が報告されています。

 今回小平先生らは日本で施行された6195件の急性冠症候群に対する心臓カテーテル治療データを解析することで、このSmoker’s Paradoxが実際に存在するかどうかについて検証しました。この6195件のPCI症例のうち、喫煙者は非喫煙者と比較して統計学的に有意に若く、そして冠動脈疾患危険因子や慢性腎臓病などの合併症の罹患率が低いことが示されました。多変量ロジスティック回帰分析により年齢等の各寄与因子を補正した後では、喫煙は院内死亡に関する独立した寄与因子とはなりませんでしたが(OR 0.90, 95%CI 0.61-1.34, p=0.629)、全体の合併症(OR 0.82, 95%CI 0.69-0.98, p=0.032)および出血性合併症(OR 0.72, 95%CI 0.53-0.98, p=0.040)に対するinverse predictorとなることを解明しました。さらに喫煙者、非喫煙者におけるサブ解析において、クロピドグレルの内服がもたらす影響について調査しました。クロピドグレルの内服は喫煙者において統計学的に有意に院内合併症を減らす(OR 0.55, 95%CI 0.33-0.90, p=0.018)ものの、非喫煙者においてはその効果は認められませんでした(OR 1.20, 95%CI 0.87-1.67, p=0.257)。結論として本研究により「Smoker’s Paradox」はおおむね喫煙者の方が全身的なリスクが少ない状態でPCIを受けている結果としておこる現象と考えられること、また喫煙者はクロピドグレルの内服による効果が非喫煙者と比較してより顕著にあらわれていることが報告されました。
この論文は2016年5月27日に英文誌Circulation Journalに掲載されました。

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